人身事故の損害賠償/弁護士基準
●収入の立証
休業損害と後述の逸失利益を計算するには、その基礎となる収入をいかに立証するかが大変重要となります。公務員や大企業の会社員はその点について比較的容易なのですが、すべての被害者がそうであるわけではありません。
自営業者、主婦、パート・アルバイト、学生、年金生活者、アパート経営者など職業によってさまざまな立証方法があります。
a.自営業者
前年度の所得税確定申告の所得額を基準とします。ただし、この申告額より実際の収入が多くあったことが確実なときは帳簿や書類などによって証明しなければなりません。
b.主婦
家事労働を平均賃金によって算出することもできます。兼業主婦などは現実の収入額と女子労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎とします。
主婦は収入はないのですが、家事労働に従事していると考えて逸失利益を認めています。収入額は統計による女子労働者の全年齢平均賃金を基準にして計算します。家業(商店や農業など)に従事している主婦はその主婦の寄与率として家の収入の3割くらいが認められるようです。
c.学生、児童、幼児など未就労者
学生・幼児・児童などは休業損害はありません。高校生や大学生などで就職が決まっているような場合、その就職先で得られたであろう収入を基礎として計算できます。
幼児、児童なども逸失利益は認められます。この場合は賃金センサスなどを基に逸失利益を計算します。高校生や大学生などの場合は、学歴別の総平均賃金などを用いることもできます。医学部の学生なら将来医者になる可能性は高いでしょうから医師の平均収入などの統計をもとに計算することが妥当でしょう。判例では小学4年生の女子について4年生大学卒の平均賃金を認めたものもあります。
d.不労所得者(アパート経営者など)
治療などのために仕事を休んでも収入に影響しない場合は休業損害を請求できません。
e.無職
失業中の人や一時的離職者であっても勤労意欲があり就職するつもりであったなら逸失利益は認められます。就職先や従前の会社の賃金を基準として計算します。
ただし労働意欲の乏しい無職者は逸失利益が認められにくいようです。
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